サーバー管理とは?
その必要性や業務内容、基本的な管理ステップをご紹介
サーバー管理とは、サーバーが安定稼働するための管理業務全般のことで、企業が安心してWebサービスや社内システムを運用するために不可欠です。サーバー管理にはさまざまな種類があり、それぞれの内容を把握しておかなければトラブルが発生した際に適切な対応ができない恐れがあります。そこで本記事では、サーバー管理の種類ごとの内容や管理方法、管理のためのステップをご紹介します。
サーバー管理とは
サーバー管理は、サーバーの安定的な稼働を実現するために、運用や保守をはじめとする管理業務全般のことです。サーバーの停止や誤作動といったトラブルの発生を防ぐため、サーバー管理やセキュリティ対策などを行い、自社の業務やサービスが円滑に行えるようにケアする役目があります。
サーバー管理が必要な理由
サーバーとは、各種のサービスやシステムを提供する機能を持ったハードウェアおよびソフトウェアのことであり、提供する機能によってさまざまな種類があります。例えば、Webサイトのページを表示させるWebサーバー、メールを送受信するためのメールサーバー、データを保存・共有・整理するためのファイルサーバー・データベースサーバーなどがあります。
これらのサーバーに異常が発生した場合には、業務がストップしてしまったり、サービスが使えなくなったり、保存した情報が消えてしまったりするなど、企業にとって大きな損失となります。そのため、このようなトラブルを回避するために、サーバー管理は常日頃から行っておくことが重要です。
サーバー管理の3つの業務とその内容
サーバー管理業務には、サーバーの構築、サーバーの監視、サーバーの運用・保守の3つがあります。本章では、それぞれについて詳しく紹介します。
①:サーバー構築
自社でサーバーを設置する際に必要となるのがサーバー構築業務です。サーバーを安定的に運用するための要件定義や、最適なハードウェアやソフトウェアの選定・調達、ラッキング、ソフトウェアの設定・テストなどを行います。
ハードウェアとソフトウェアの選定・調達の際には、どのようなサーバーが必要になるのかの要件定義を行い、目的に合わせたハードウェアの設計と、サーバーに合ったソフトウェアのインストール・設計が必要です。
ラッキングとは、サーバー構築で必要となるハードウェアを専用のラックに設置・収容する業務のことです。電源やLANケーブルの配線を行うだけと思われがちですが、排熱効率や運用開始後の作業の効率性といった点を考慮しなければ、運用後のメンテナンスに支障をきたすため重要な作業です。
さらに安定的な運用を実現するためには、複数のサーバーによる冗長化や、ロードバランサの導入によるサーバーの負荷分散などの対策を検討することもポイントです。
②:サーバー監視
サーバーの運用開始後は、サーバーを正常に運用させるための業務を継続的に行います。
具体的には、正常な稼働ができているかといったサーバー状況の監視を行い、過剰なトラフィックがあれば、必要に応じて負荷の分散を行うことで障害を事前に防ぎます。
また、サーバー上で稼働するプログラムやデータの状況が正常であるかを確認するサービス監視や、通信障害や遅延の兆候を検出し、状況に応じて必要な対策を行うネットワーク監視も必要です。
具体的なサーバー監視については以下で解説しています。ぜひご覧ください。
③:サーバー運用・保守
3つ目が、サーバー運用および保守業務です。
運用は、設定変更や追加・アップデートなど、システム利用者が快適に使えるように管理する業務であり、保守は運用中に発生する不具合やトラブルへの対処など、システムを異常なく使えるよう管理する業務を指します。例えば、ハードウェアで障害の兆候といった異常が起きた場合は交換作業を行い、ソフトウェアの場合は、プログラムの一部修正や修正パッチの適用を行います。
また、ソフトウェアのシステムメンテナンスやアップデート、データのバックアップなども日常的に必要です。
2つのサーバー管理法。両者のメリット・デメリットとは?
サーバー管理を行う場合、自社で管理する方法と外部に管理を委託する方法の2つがあります。
では、それぞれのメリット・デメリットは何でしょうか?以下でご紹介します。
方法①:自社管理を行う
サーバー管理を自社内で行うメリットとして、安定的なシステム運用を実現するためのノウハウが蓄積されること、システムの理解が深まるため最適化が容易なこと、また情報漏えいのリスクを低減できることなどが挙げられます。
一方でデメリットとして、サーバー管理を適切に行える人材の確保が難しく、採用や育成にコストがかかることが挙げられます。そうした人材を確保できないとトラブル時の対応が遅れたり、原因究明ができずに事業の損失につながったりする恐れがあります。
こうした要因により、委託管理するよりもコストがかかってしまうこともあります。
方法②:委託管理を行う
サーバー管理は、管理会社に委託することも可能です。
メリットとしては、自社管理のデメリットである人材確保の必要がなく、サーバー管理に人的リソースを割く必要がないことが挙げられます。これにより、より付加価値の高い業務に人材リソースを割けることができます。また、トラブルの発生時に管理会社が迅速かつ適切に対応してくれることも利点です。
デメリットとしては、外部に委託するため情報漏えいのリスクが上がったり、システム構成について理解している人材が社内にいなくなり、ブラックボックス化したりする可能性があります。
そのため、委託をするときは管理会社の実績を調べ、さらにブラックボックス化のデメリットを解消する方法を社内で議論する必要があります。
サーバー管理を行うための4つの基本ステップ
ここまで自社管理と委託管理の2つのメリット・デメリットを見てきましたが、本章では自社管理を行う際の基本ステップをご紹介します。
ステップ①:システムの全貌を把握する
まずは、現在自社で稼働しているシステムについて理解することが重要です。サーバーは単一の機器ではなく、多くのソフトウェアや機器が関連しながら稼働しているため、その全貌を把握していないと安定した運用はできません。
システムの全体像を理解するために確認しておきたい項目として、システム構成やインストールされているOSおよびアプリケーション、サーバーによって動いているサービスなどがあります。これらの情報を収集し、システム構成図やサーバーリストなどのドキュメントを作る必要があります。
ステップ②:必要な知識を補うための対策を取る
システムの全貌を把握することで不足している知識の領域が明確になるため、その知識を補うための対策を考えることが重要です。
具体的には、サーバー管理担当者に求められる知識として以下4つの項目があります。これらの知識は日々更新されていくため、確認・学習を定期的に行うことが大切です。
● Windows、UNIXなどのサーバーOS
ポイントとして、まず1つをマスターすることです。
● ミドルウェア
ミドルウェアのインストールや運用はクセが多いため、実際に試してみてそのクセをつかむことが重要です。
● アプリケーション
サーバー管理の業務範囲を超えることも少なくありませんが、概要だけでも押さえてくとトラブル発生時に対応が行いやすくなります。
● サーバーの機能やパーツ
PCとは基本構造や設計思想が異なるため、違いや具体的な機能を押さえておくことが重要です。
ステップ③:データバックアップの状況を確認する
バックアップは、サーバーが故障した際に復旧させるうえでの命綱となるため、非常に重要です。
バックアップは日頃から行われているはずですが、だからこそ漏れなくバックアップができているか、バックアップ頻度が適切か、またバックアップ先の空き容量が十分かなどを定期的にチェックしておく必要があります。
ステップ④:管理ルール・マニュアルを整理する
最後に、サーバー管理業務のルールなどを記載したマニュアルの整理を行います。
サーバー管理は複数の担当者が実施することが多く、担当者の変更も起こる可能性があるため、スムーズに業務の引継ぎができ、効率化や標準化を図れるようサポートマニュアルを整理しておきましょう。
マニュアルに記載すべき内容としては、以下のものがあります。
● システム構成図やサーバーリストなどのシステム全体像
● 日常的な監視業務のチェックポイント
● よくある障害とその対応、連絡先
● ユーザーからのよくある問い合わせとその回答
ここまで自社管理を行う際のステップを4つ紹介しましたが、サーバー管理を行う際には必要な専門知識・スキルは数多くあり、人材の確保が難しいことや、コスト面の負担が大きいなどの課題が発生します。このような課題は自社内で解決することが困難なケースが多く、委託管理を行うことで解決できます。
次章では委託管理を担っている管理会社を紹介します。
サーバー管理についてはキズナ・ジャパンにご相談ください!
サーバー管理は、業務システムやサービスを正常に稼働させるために必要不可欠な業務ですが、前述の通りさまざまな課題があります。トラブル時の対応にも課題があり、多くの時間や人的リソースがかかったり、サービスによっては24時間365日対応しなければならなかったり、障害時に現場に出向く必要があったり、などが挙げられます。
キズナ・ジャパンでは、そのようなサーバー管理に関するお悩みを解決できます。
サーバー構築から監視・運用・保守までのサポートや代行を行っており、豊富なサーバー管理の経験と知識を持った専門エンジニアが直接対応するため、お客様のインフラ運用に関する業務の負担軽減を実現できます。また休日や夜間を問わず急なトラブルの発生にも迅速に対応でき、必要な日のみの常駐など柔軟に対応可能です。
以下資料では、実際にサーバー管理業務の代行を検討する際に役立つ情報をご紹介しています。ご興味のある方はぜひご覧ください。